年間行事
祭りは「まつろう」を語源とし、古くは「斎く(いつく)」とも言う。清浄な心で神をお迎えし、お仕え申し上げる、という意味である。具体的には、氏子がこぞって祭りの場や心身を清め、新鮮な神饌(みけ)を供え、祝詞の言霊によって神意をなごめ、感謝や願意や讃え事を申し上げる。時に神輿で人々の生活の場にお迎えし、氏子達の暮らしぶりをご覧になっていただく。また神楽や獅子舞などの神事芸能を捧げ直会(なおらえ)によって神と人とが同じものを食する。これは「古事記」に描かれた古代から、現代に至るまで毎年全国津々浦々で連綿と行われているものである。
ここには神の力を得て人々が暮らしていくという「神人共働」と「神人共楽」「神人共食」の姿があり、それは神人合一、神と人との一体化という新道思想の生きた形である。祭りをとおして人々は「清き明かき直き」誠の心に返り新しい命の力を得てきたのである。また、副次的には地域共同体の中でみなが和合連帯し、心の絆を培って来たとも言える。
701年の「大宝律令」には既に祭祀に関する規定が示されており平安の「延喜式」では更に詳しくなる。幾度かの変遷はあるが浪打八幡宮と各末社の祭儀も基本的にはその頃と変わらない。大別すると、神社全体で行う恒例祭と氏子や崇敬者個人の依頼による諸祭(祈祷)があり、恒例祭は大祭、中祭、小祭に分けられる。
月例祭は毎月1日午前7時に行い、続いて一般氏子による一日詣でと朝拝が行われている。朝粥の直会(なおらえ)を伴うことがある。